教育実践学研究
Online ISSN : 2436-0945
Print ISSN : 1880-2621
中学生の悩み経験と被援助志向性
ースクールカウンセラーに対する被援助志向性に焦点を当てて一
山口 豊一井上 朋美
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ジャーナル オープンアクセス

2011 年 15 巻 p. 53-61

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抄録

本研究では,現代の中学生の悩み経験の領域を明らかにし,スクールカウンセラーへの被援助志向性との関係を検討することを目的とした。その際,中学生470名を研究協力者として,質問紙調査を実施した。因子分析の結果,「心理」領域,「学習」領域,「先生への不満」領域,「部活」領域,「健康」領域の5領域が抽出された。それぞれの領域における男女差を検討したところ,「学習」領域と「部活」領域で男子よりも女子の方が悩み経験が高かった。 学年差では,すべての領域において,1年生よりも2年生や3年生の方が悩み経験が高かった。また,スクールカウンセラーへの被援助志向性については,「心理」領域と「学習」領域において悩み経験高群が,低群よりも高いことが明らかになった。 なお,スクールカウンセラーへの被援助志向性は全体的には低いという結果であった。今後,より一層スクールカウンセラーの相談活動が定着することが求められる。

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