杏林医学会雑誌
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運動神経および知覚神経伝導速度 : 第 1 報本学における若年成人の正常値の設定
宮田 省三小池 秀海川口 新一郎吉野 佳一本田 聖子友沢 宏子
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1979 年 10 巻 1 号 p. 67-71

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抄録

若年健常成人95名を対象として末梢神経最大伝導速度を尺骨神経, 正中神経, 脛骨神経にて測定した。尺骨神経の運動神経伝導速度(MCV)〔肘-手根〕の平均値±標準偏差は57.7±4.3m/sec, 知覚神経伝導速度(SCV)〔第5指-手根〕は55.0±6.3m/secであった。正中神経のMCV〔肘-手根〕は59.2±4.3m/sec, SCV〔第2指-手根〕は56.5±5.9m/sec, 脛骨神経MCV〔膝窩-内果〕は47.5±3.3m/secであった。これらの値には男女差は認められず, 過去に報告された正常値と比較しても偏りはなく, 妥当な値と思われる。したがって今後これらは当院の正常値として同じ年齢層における異常の判定のために用いられうると判断した。また測定結果に影響する因子などにつき若干の考察を行なった。

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© 1979 杏林医学会
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