1979 年 10 巻 2 号 p. 121-124
2.0%硫酸マグネシウム, 2.5%グルコースおよび5.0%低分子デキストランを主組成とする保存液の肺保存延長効果を2∿4℃の低温と併用し実験的に検討した。成犬11頭を使用し, 左下肺葉を胸腔内で局所性に単純冷却保存した。11頭全例において, 8時間の肺保存が可能であり, 保存後3∿4週目の保存下肺葉の検索でも, 肉眼的, 機能的および組織学的に正常所見を呈した。硫酸マグネシウム保存液は低温と併用し肺の虚血許容時間を延長するのに有効であることが明らかとなった。