杏林医学会雑誌
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乳癌における乳房 X 線診断と微小石灰化陰影の検討
福島 久喜花岡 建夫川原 哲夫大倉 聡野上 博司鍋谷 欣市古屋 儀郎福住 直由
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1984 年 15 巻 1 号 p. 33-38

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抄録
乳癌について乳房X線診断とX線フィルム上認める微小石灰化陰影について検討した。乳癌45例中, 確診は37例(82.2%)であり, 乳癌の大きさ別ではT_1が44.4%, T_2が92.3%, T_3が83.3%, T_4が100%であった。乳癌の組織型別では確診は乳頭腺管癌が64.3%, 髄様腺管癌が90.0%, 硬癌が92.9%, 特殊型が85.7%であった。乳癌の微小石灰化陰影は, 乳房X線診断上12例に認めたが病理組織学上は6例にみられた。T_2では11例に微小石灰化陰影を認めたが, うち5例に病理組織学的に石灰沈着がみられた。乳頭腺管癌では5例, 髄様腺管癌で3例, 硬癌で4例に認めた微小石灰化陰影は組織学的に石灰沈着として乳頭腺管癌で2例, 髄様腺管癌に1例, 硬癌に3例が確認された。
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© 1984 杏林医学会
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