杏林医学会雑誌
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睾丸回転症の 11 例とその臨床的観察
三村 晴夫松山 恭輔渡辺 康久青柳 直大宍戸 悟千野 武裕工藤 潔千野 一郎
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1984 年 15 巻 1 号 p. 69-74

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抄録
杏林大学泌尿器科における最近6年間の睾丸回転症11例を報告し, その臨床的検討を行った。結果 : 頻度は外来新患総数の0.14%, 患側は右4例, 左6例, 両側1例, 方向は外旋6例, 内旋4例, 年齢は10歳代が7例で最長年齢は38歳であった。発症は睾丸部痛が8例, 鼠径部又は下腹部痛が6例にみられた。急激に発症したものは5例であった。3例に嘔気または嘔吐がみられた。微熱は5例, 血中白血球増加は7例にみられ除睾術を行った3例は, いずれもこの内に含まれる。発症時間は全例午前2時から11時までの間で, 睡眠中に8例, 朝勃起時に1例, 登校中に1例発症している。8例に対し睾丸固定術が, 3例に対し除睾術が施行された。前者は発症後9時間以内に行われた。後者はいずれも初診時, 副睾丸炎と診断され, 来院までに3日, 4日, 5カ月を経過した症例である。
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© 1984 杏林医学会
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