杏林医学会雑誌
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心房性ナトリウム利尿ペプチドの分泌調節に関する研究 : 単離成熟ラット心房筋細胞を用いて
大荷 満生
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1990 年 21 巻 1 号 p. 21-29

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抄録

心房性ナトリウム利尿ペプチド(以下,ANP: atrial natriuretic polypeputide)の分泌調節機構はいまだ明らかにされていない。これまで,心房圧の上昇等による心房筋の伸展によるANPの分泌亢進が指摘されてきた。しかし,こうした物理的刺激以外の生化学的因子による分泌調節については不明な点が多い。そこで,今回,単離成熟ラット心房筋細胞を用いることにより,直接細胞レベルでANPの分泌調節に影響を及ぼす諸因子につき検討した。Acetylcholineおよびmethoxamineの添加により,ANP分泌量の増加及び心房筋細胞内含有ANP量の減少を認めた。更に,それぞれの拮抗剤であるatropine及びbunazosinの添加によりANP分泌量が抑制された。以上の結果から,acetylcholineとmethoxamineの両刺激に共通した細胞内反応であるイノシトールリン脂質代謝回転の活性化がANPの分泌調節機構に関与している可能性が示唆された

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© 1990 杏林医学会
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