杏林医学会雑誌
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鈍的外傷による腹部大動脈瘤破裂の一治験例
藤倉 知子小石沢 正林 信成小野 稔小久保 純野中 健史藤木 達雄戸成 邦彦笹川 成本田 克彦佐藤 政弥有村 康夫池田 晃治須藤 憲一
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1994 年 25 巻 4 号 p. 585-588

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抄録

症例は61歳男性。水道配管作業中,腹部に鉄パイプが落下し腹部を強打した。この衝撃で,シヨック状態に陥り,近医受診し腹部CTを撮影したところ,既存の腹部大動脈瘤破裂が強く疑われ,当院救命救急センターヘ搬入された。入院後,一時心肺停止状態となったが,蘇生後,緊急手術にてY字型人工血管移植術を行い救命し得た。文献考察より,交通外傷など鈍的外傷によって,瘤変化のない腹部大動脈が破裂を来したという症例報告は散見されるものの,当症例の如く以前より存在した腹部大動脈瘤が破裂を来したという症例は著者らの知る限り本邦においては報告されていない。

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© 1994 杏林医学会
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