杏林医学会雑誌
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蛍光標識法による9S RNAのRNase E切断部位の決定
久保 崇
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1998 年 29 巻 4 号 p. 571-579

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抄録

大腸菌のRNase Eは最初はリボソームRNAのプロセッシングに関与するエンドヌクレアーゼとして見出されたが,その後種々のmRNAの分解系で重要な役割を果たしていることが明らかにされてきた。mRNAの分解過程の詳細を明らかにするためには,個々のmRNAのRNase E切断部位を決定することが必要である。RNase E切断部位の決定は,主にin vitro転写反応でT7 RNAポリメラーゼにより合成された放射性同位元素(RI)標識RNAを精製したRNase Eの基質として用いたin vitro系での解析により行われた。本実験では,蛍光色素標識した9S RNAのRNase Eによる部位特異的切断を蛍光バイオイメージアナライザーで解析した。その結果蛍光標識法は,RI標識法と比較し感度は数倍低いが,非放射性の安全性の高い方法として有効であることが解った。

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© 1998 杏林医学会
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