杏林医学会雑誌
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原著
カプサイシンの抗酸化活性部位の特定に関する研究
速度論および分子軌道計算からのアプローチ
岡田 洋二首藤 亜紀丘島 晴雄吉澤 清良大澤亜 貴子紅林 佑介大瀧 純一
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2013 年 43 巻 4 号 p. 107-114

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抄録
 唐辛子の辛味成分であるカプサイシン(capsaicin,CAP)の抗酸化活性部位を特定することを目的に,CAPの主要骨格であるグアヤコール構造を有する3種化合物の抗酸化活性( kinh) を速度論的に比較検討した。また,CAP分子表面上の静電ポテンシャルエネルギーの最大値(maximam potential energy,MPE)を分子軌道計算で求めて同様に検討した。速度論的に求めたグアヤコール誘導体のk inh値は4.4×10 3 ~ 1.2×10 4 M1sec 1で,CAPでは5.6×10 3 M1sec 1とほぼ同じ値であった。また,グアヤコール骨格を持たずCAPのacetamide部位を有するN -benzylacetamideには抗酸化活性が全く認められなかったことから,CAPの抗酸化活性を有する部位はグアヤコール骨格部分のフェノール性水酸基であることが推測された。この結果は,CAP分子表面上のMPEを分子軌道法に基づいた計算の結果からも確認することができた。以上,速度論的研究と分子軌道法に基づいた計算結果より,CAPの抗酸化活性部位はそのフェノール性水酸基であることが強く示唆された。
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© 2013 杏林医学会
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