杏林医学会雑誌
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鉛工作業者の鉛中毒に関する研究 : 第 2 報 鉛の生体反応に関する各種検査の相関および意義
是枝 忠子後藤 光與長尾 佳代子石井 みどり千田 忠男上畑 鉄之丞笹川 七三子
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1976 年 7 巻 4 号 p. 229-240

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抄録

鉛加工労働者および職業的鉛暴露のない健康人について, 鉛に関する諸検査を行い, それらの結果の相互関係から, 鉛暴露評価における各検査の意義について検討した。赤血球中デルタアミノレブリン酸脱水酵素(ALA-D)活性は, 血中鉛濃度(Pb-B)にたいし, 高い負の相関を示した。ALA-D活性はまた, 低濃度暴露および過去の暴露における鋭敏な指標になりうることが推察される。さらに加温処理後のALA-D活性(加温効果)にたいする加温前のALA-D活性の比(VHE)は, 鉛暴露評価において有用性が期待できることを述べた。過去の暴露にたいしてはCaNa_2 EDTAによる鉛誘発試験が有意義である。

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© 1976 杏林医学会
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