杏林医学会雑誌
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精子形成におけるセルトリ細胞の役割に関する研究
高山 精次
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1976 年 7 巻 4 号 p. 241-249

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抄録

従来, セルトリ組胞の役割については精細管内で未成熟な精子が本細胞に頭を付けて何らかの栄養を取り成熟するといわれているが真の生理的役割は, 未だ明らかでない。そこで生理的役割の一端を明らかにする目的で種々検討の結果, むしろ精子細胞の変態の過程でセルトリ細胞は重要な役割を演ずることを認めた。また変態の過程で精子細胞のミトコンドリアがそのまま精子の尾部中片に附着するといわれているが, その形, 大きさ, 更に数の点で精子尾部中片のミトコンドリアと異なるのみか, 精子細胞の分化の過程で空胞状に認められるミトコンドリア内で数個の小型で彎曲したミトコンドリアが新生され, このミトコンドリアが精子尾部中片に附着するものと全く一致することを明らかにした。

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© 1976 杏林医学会
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