杏林医学会雑誌
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動脈管開存症の外科治療2 : 経静脈的PDA閉鎖用カテーテルの試作
馬原 文彦中江 純夫金 有世笠置 康石橋 修塚越 茂越川 雅宏池田 晃治
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1978 年 9 巻 4 号 p. 265-269

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抄録

動脈管開存症で動脈管を閉鎖するのに,全身麻酔,開胸下に手術を行うよりは,局所麻酔,非開胸下に閉鎖を行なう方が患者に対する侵襲も少なく,特に重症先天性心疾患合併例などでは,有用である。著者らは,独自の新しい考えに基いて,経静脈的に動脈管を閉鎖する方法を考案,閉鎖用カテーテルを試作しえたので,その概略および急性期動物実験について報告する。この方法は,カテーテル先端部のカプセル内に,大動脈側で拡開するumbrellaと肺動脈側で拡開するumbrellaを内蔵しており,ラチェット機構により,この2つのumbrellaは,動脈管を挾んで任意の長さに固定される。従って以下の如き特徴を有している。1)経静脈路のみで閉鎖できる。2)動脈管の任意の長さに対応できる。3)大動脈,肺動脈,両側にumbrellaがあるので固定が確実である。4)径の大きなPDAにumbrellaの大きさを調節する事により対応できる。

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© 1978 杏林医学会
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