1978 年 9 巻 4 号 p. 277-282
各種不整脈を有する入院患者10例に抗不整脈剤Disopyramideを100〜500mg/日の経口投与を行ない臨床効果および副作用について検討した。発作性心房細動は2例中2例に著効し,慢性心房細動の2例は全例無効であった。心室性期外収縮は9例中6例(67%)が有効で,副作用による中止例を含めると9例中8例(89%)が有効であった。副作用は口渇2例,排尿障害2例,食思不振1例,徐脈1例であったが,排尿障害の2例に投薬を中止したが,他は維持あるいは減量により副作用は消失し,継続が可能であった。Disopyramideはその有効性と安全性から抗不整脈剤の中では今後臨床上重要な位置を占めると考えられた。