九州理学療法士学術大会誌
Online ISSN : 2434-3889
九州理学療法士学術大会2021
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脳卒中患者における長下肢装具カットダウン時期と退院時FIM との関係
*藤井 翔大*松尾 講平*松澤 雄太*米良 隼紀*森 有生*岩村 秀世*福永 誠司*藤元 勇一郎
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p. 116

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抄録

【はじめに、目的】

脳卒中患者において下肢Brunnstrom Recovery Stage(以下,下肢BRS)が重度の場合は,長下肢装具(以下,KAFO)を早期より用いた訓練により,歩行能力,日常生活活動(以下,ADL)能力を改善し,入院期間を短縮させると報告されている(長沢ら,1997).また,重度の脳卒中患者にKAFO を使用した場合,KAFO 未使用者に比べて機能的自立度評価法(以下,FIM)の得点が高値であったと報告されている(小口ら,2012).そのため,当院でも脳卒中患者に対して積極的にKAFO を使用した立位・歩行訓練を行っており,併せて短下肢装具(以下,AFO)へのカットダウンも適宜検討している.増田ら(2013)によると、カットダウンに関して,KAFO から徐々にAFO 使用の割合を増やしていくような移行期間を設けることが有効とされているが,現状は明確な基準はなく臨床現場で悩むことが多い.また,発症日からKAFO 使用開始時期におけるFIM改善の報告は散見されるが,カットダウン時期と退院時FIM との関連性を報告しているものは少ない.本研究の目的は,脳卒中患者を対象にKAFO 使用時からAFO へのカットダウン時期と退院時FIM との関係について後方視的に調査することである.

【方法】

本研究は,2017 ~ 2019 年までの期間に当院に入院しKAFO を使用した後に,AFO へカットダウンした脳卒中患者のうち,再発または両側大脳障害を有する者,死亡退院となった者を除外した 40 名( 男性 26 名,女性 14 名,年齢69.0 ± 11.0 歳)を対象とした.対象の内訳として,疾患は脳出血18 名,脳梗塞19 名,クモ膜下出血3 名であった.また,発症時の下肢BRS はIが12名,IIが16 名,IIIが9 名,IVが3 名であった.なお,カットダウンの基準は,KAFO 使用時から,AFO へ移行後に3 日以上継続して歩行訓練を行えたものとした.統計学的分析方法は,カットダウン時期と退院時motor FIM(以下,退院時mFIM),退院時cognitive FIM(以下,退院時cFIM),退院時合計FIM との関連性をSpearman の順位相関係数を求めて検討した.統計学的検定にはR-2.8.1 を使用し,有意水準は5% とした.

【結果】

脳卒中患者のカットダウン時期と各退院時FIM との関連を分析した結果,カットダウン時期(58.1 ± 40.9 日)と退院時mFIM(54.9 ± 18.9 点,r=-0.543,P

【倫理的配慮,説明と同意】

本研究は当院倫理審査委員会( 承認番号第016 号) にて承認を得た.ヘルシンキ宣言,及び人を対象とする医学系研究に関する倫理指針に基づき個人情報保護のため得られたデータは個人情報が特定できないよう十分配慮し管理した.

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© 2021 公益社団法人 日本理学療法士協会 九州ブロック会
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