九州理学療法士学術大会誌
Online ISSN : 2434-3889
九州理学療法士学術大会2021
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予測実績指数チェック表を用いた予後予測とマネジメントが在棟日数短縮と実績指数向上に与えた影響
*梶原 丘行
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p. 38

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抄録

【はじめに】

2020 年度診療報酬改定により、回復期リハビリテーション(以下、回リハ)病棟入院料1 は、リハビリテーション(以下、リハ)のアウトカムを評価する実績指数の基準値が37 から40 に引き上げられた。回リハ病棟入院料1で、質の高いリハを提供し続けるために、より高い実績指数の獲得を図る必要がある。今回、実績指数のマネジメントをする中で、2019 年年度を分析した結果、退院支援と除外対象患者の選出に課題を感じた。そこで、予測実績指数チェック表(以下、チェック表)を作成し、早期より予後予測に基づく円滑な退院支援、適切な除外患者選出を行った結果、チェック表導入前に比べ、在棟日数の短縮と実績指数の向上が図れたため報告する。

【方法】

2019 年4 月1 日~ 2021 年3 月31 日に回リハ病棟を退院した患者406 名(運動器疾患356 名、脳血管疾患等50 名、死亡者除く)を対象に調査を実施。回リハ病棟転入後、初回リハ総合実施計画書に基づき、入棟時運動FunctionalIndependence Measure(以下、FIM)と退院時目標運動FIM を用い、運動器疾患60 日、脳血管疾患等90 日で回リハ病棟退院を想定し、リハ担当者がチェック表に記載することを、2020 年6 月から開始した。また、チェック表を基に、回リハスタッフ全員と協議し、予測実績指数40 以下になる患者の中から3 割を除外対象に選出した。チェック表導入前の2019 年度の実績と2020 年度の実績の比較を行った。

【結果】

2020 年度平均在棟日数53.8 ± 5.6 日(2019 年度56.8 ± 4.6 日、全国平均67.5 日)、2020 年度平均実績指数57.9 ± 12.1(2019 年度49.1 ± 8.1、全国平均中央値41.8)という結果となり、在棟日数の短縮と実績指数の向上が図れた。また、2020 年度除外対象患者は55 名(運動器疾患47 名、脳血管疾患等8 名)で、実績指数40 未満となる患者の除外適正率84%となり、2019 年度の除外適正率61%から23%向上した。

【考察】

2020 年6 月から、チェック表を運用したことで、運用開始以降、在棟日数の短縮と実績指数の向上を図ることができた。その要因として、予測実績指数をリハ担当者間で話し合い、チェック表に記入することが、妥当な予後予測と早期から退院を見据えた介入につながり、介護保険サービスの調整、患者背景にある問題解決など、医師、看護師、医療相談員など、多職種間で連携し円滑な退院支援が行えたことが考えられる。また、マネジメントにおいても、チェック表の運用が、リハスタッフの教育とコミュニケーションのツールとなり、入棟月にのみ行える3 割の除外対象患者の選出が、リハ担当者と協議し、より正確に行えたことも実績指数向上の一因と考える。今後、回リハ病棟入棟月の予測実績指数と、退院時の実績指数の差をリハ担当者にフィードバックし、予後予測の妥当性を更に高めて行くと共に、FIM 利得についても調査を行い実績指数(質)の向上を図って行きたいと考える。

【まとめ】

今回、チェック表を使用しリハスタッフの実績指数向上に対する意識付けを行うことで、円滑な退院支援による在棟日数の短縮と、実績指数の向上を図ることができた。また、この実績指数の向上は、より短期間で質の高いリハが提供できたといえる結果となった。

【倫理的配慮,説明と同意】

本調査報告は当院の倫理審査委員会の承認(承認番号:第0301 号)を得たものである。

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