主催: 社団法人 日本理学療法士協会 九州ブロック会, 社団法人 日本作業療法士協会 九州各県士会
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今回、我々は特発性伸筋腱脱臼例に対してのMichon法術後のセラピィを経験した。Michon法は、脱臼した原因である骨間筋腱帽の断裂部を縫合するだけでなく、さらに伸筋腱の一部を用いて縫合するもので縫合力は強いとされている。しかし、我々は縫合力の強さを得ることができる反面、正常な伸筋腱の一部を採取する(損傷を与える)ことで、同部での指伸展機構と周囲組織との癒着はより高度に発生するものと予想し、より安全な方法で、より早期に運動を開始することが望ましいと考えた。そこで、セラピストが徒手的に脱臼側から反対側へ伸筋腱を支持することで再脱臼を防止し、段階的な早期自動運動を行った。その結果、術後3週経過時には、ほぼ全可動域を獲得できた。また簡易型のスプリントを作製し、早期に患手使用、早期退院が可能であった。