抄録
本研究の目的は、「ふれあい会」という、パーキンソン病患者主体による会への集団活動の参加動機について、影響因子を検討することである。対象は、会員37名であった。方法は、郵送調査にて、自身の日常生活動作についてと、「ふれあい会」自体への質問の2項目に分けて実施した。結果は、非参加者が12名見られ、その理由として、介護者・日程との不都合が大半を占めた。また、他の方の介護なら参加されますかとの質問に対しては、参加するが6割であった。介護者の現状も、制限されている方が半数見られた。日常生活においても、非参加者群の方が、自立度が低く、行動範囲も狭い結果となった。この結果より、非参加因子として、非参加者の能力面、環境の問題、そして会自体の問題が相互に働いていると考える。会への参加は、全般的活動性の維持・向上、精神・身体機能の賦活化、「いきがい」の獲得、そして、この会の主旨である、患者間の疾患への相互理解にも大きな役割を果たしてくる。今後は、会自体の啓蒙、運動の意義、楽しめる内容を本人だけでなく家族単位に提供することで、この「ふれあい会」を理学療法士として支援できるのではないかと考える。