九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
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第31回九州理学療法士・作業療法士合同学会
セッションID: 230
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北九州糖尿病ウォークラリー参加報告
*黒山 荘太横溝 由史小柳 靖裕池永 千寿子
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抄録
【はじめに】
 地域糖尿病療養指導士制度は1996年に日本で最初に北九州地区で活動を開始した。2008年4月現在北九州糖尿病療養指導士(北九州Local Certified Diabetes Educator以下北九州LCDE)は看護師169名、管理栄養士82名、臨床検査技師30名、薬剤師25名であるが、理学療法士(以下PT)は8名に留まっており、運動療法を専門的に行えるPTの糖尿病療養指導への参画が少ないのが現状である。筆者は2007年に北九州LCDEの資格を取得し、北九州地区の糖尿病療養指導行事の1つである、第11回北九州糖尿病ウォークラリー大会に参加し、PTが糖尿病療養指導行事に参加する意義について検討したので報告する。
【ウォークラリー概要】
 北九州地区の糖尿病治療中の患者さんとその家族が対象であり、4~5名を1チームとし46チーム(一般参加186名)がウォークラリーに参加した。医師1名、北九州LCDE86名(看護師46名、管理栄養士23名、臨床検査技師9名、薬剤師6名、PT2名)で大会サポートを行った。
【PT活動内容】
1.姿勢、歩行の講義
 今回のテーマは「姿勢を正しくして歩きましょう」であった。運営会議にて他スタッフに姿勢、歩行指導におけるチェックポイントについて講義し、知識の共有化を図った。
2.準備運動、整理運動の実施
 第10回までは、健康運動指導士の資格を持つ看護師が担当していたが、今回よりPTが担当するようになった。準備・整理運動の必要性、注意点、方法を詳細に説明しながら、年配者にも配慮して座ったままで行える準備運動、整理運動を行った。
3.ウォークラリー中の歩行指導
 約2kmのコースに2箇所、姿勢を正しくして歩く場所を設け、各箇所にPT1名、看護師1名で参加者全員の指導を行った。歩行指導は、1グループに対して1分程度しか実施出来なかった。PT以外の歩行指導スタッフには、事前にチェックポイントの講義を行った。
【まとめ】
 他職種スタッフより、「姿勢、歩行指導におけるチェックポイントを理解することができ、今後運動指導に活用できる」との言葉が聞かれた。
 参加者から姿勢、歩行指導をもっと時間をかけて行って欲しい、姿勢、歩行以外の個別指導も行って欲しいという要望が多数あった。参加者の運動に対する関心は高いことが伺えたが、マンパワーが不足していたため要望に答えることは出来なかった。
 今回アンケート調査等の定量的評価を行っていないため、データとしては出せなかったが、参加者、他スタッフからの運動指導に対する要望が数多くあったことより、このような行事にPTが参加する意義と必要性を感じた。
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© 2009 九州理学療法士・作業療法士合同学会
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