九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
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第32回九州理学療法士・作業療法士合同学会
セッションID: 27
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腱板修復術後早期退院者の再断裂防止に向けた取り組み
~入浴動作を中心に~
*宜野座 美咲與儀 高茂大城 貢福嶺 紀明
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キーワード: 腱板断裂, ADL, 早期退院
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抄録

【はじめに】
 当院では腱板修復術患者に対し、約2週間の入院となっている。外転枕装具固定の3週間は自動運動が禁忌のため、退院後も約1週間は入浴や更衣動作に介助が必要である。腱板修復術施行後の患者・家族が早期退院するために安全な入浴・更衣動作を獲得し再断裂防止を目的に介入を行なってきたので以下に報告する。
【対象】
 平成19年3月~平成21年10月当院で修復術を施行された45名のうち34名(男性26名 女性8名 平均年齢61歳)
【取り組み】
 平成19年3月から当院にて腱板修復術が実施され始め、同時に入浴指導が開始。当院では入院期間が2週間と県内の他施設に比べ早期の退院となっている事や病棟ではルーム担当性のため介助方法が汎化されにくいという点から安全に取り組めるようリハビリテーション(以下リハ)で入浴指導を行っている。当初は外転枕装具固定と同様の肢位が取れるようにペットボトルで作成した入浴用スリングを使用。しかし支持面がせまく安定性に乏しかったため装具士と相談し支持面を広げるなど、安心して使用できる入浴用装具を再作成。病棟においてはNrs.や助手へ安全な介助方法の共通認識がもてるよう各病棟で介助方法・禁忌肢位について勉強会を実施した。入浴はOpe後3日目から開始されるため実際の練習期間は約10日間となっている。介入回数に限りがあることで、家族の不安が感じられたため平成20年から外来でのOpe前評価時に入浴用装具についてパンフレットを使用し入浴方法の紹介を始めた。実際に入浴用装具を装着し固定肢位の経験・禁忌肢位の指導を行っている。
 実際の入浴においては全身状態や家族との日程調整の上、リハ介入。Nrs.とも協力しオーバーテーブル・入浴用装具を使用。患者・家族へ実施前に「わきを閉める」「自分で動かす」をしないようパンフレットを使用して説明。更に、家族だけでも安心して入浴介助がしやすいよう簡単に要約した風呂場用のパンフレットを設置した。患者・家族の理解、動作遂行に応じ練習を継続。禁忌肢位の理解が得られた後は共通認識強化のため病棟Nrs.や助手へ依頼。カンファレンスの際に入浴やリハの状況を本人・家族・医師へ報告し退院について検討、退院が決定した際は私服での更衣練習も追加している。退院時に入浴用装具を貸し出し、外転枕固定終了時に返却となっている。
【まとめ】
 平成19年から当院にて腱板修復術が実施され入浴指導において安全に入浴動作を行い早期退院できるよう装具・パンフレットの作成を実施。しかし、2週間の入院期間では練習期間に限りがあるため、装具の変更や外来でのADL指導、病棟との共通認識の強化など安全な早期退院を目指し取り組みに検討を重ねてきた。現段階では徐々に理解も得られ、臨床上問題となるような再断裂者は認めず良好な経過を得ている。

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© 2010 九州理学療法士・作業療法士合同学会
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