抄録
本論文では、ろう児が言語剥奪の危機に直面している問題に着目し、言語剥奪の生じる要因とその弊害について論じた。言語剥奪を防ぐためには乳幼児期からの言語獲得が重要であること、ろう児の言語獲得に大きく関わるろうメンターが重要であることについて論じた。その上で、日本におけるろう児の言語獲得に関する現状と課題について、手話言語条例、人工内耳、乳幼児教育相談の視点でまとめた。さらに、例は少ないが現在、地域での手話の言語獲得支援を行っている団体の活動をとりあげ、日本におけるろうメンターの導入の可能性を検討し今後の課題を述べた。