抄録
降雨中に、水切り板に降った雨水が外壁に伝わる。雨が止んだのち後に、雨が流れた跡は、よごれとして壁面に残る。この汚れ跡を本研究では「雨筋よごれ」と呼ぶ。雨筋よごれは、窓下、パラペットの上部などによく見られる。この雨筋よごれは、水切り板に溜まった塵埃を含んだ水が壁面に流れることによって発生する。建築外壁材料の雨筋よごれ抵抗性を評価するために促進試験方法を開発した。本報告は、塗料の促進試験結果と屋外暴露試験結果を比較したものである。試験体は、ステンレス板に13種類の塗料を塗布したものを用いた。試験の結果、水接触角が大きくなるに従い、色差は大きくなっている。促進試験による色差は、6か月間の暴露試験結果に比べて大きくなっている。