抄録
日本海の大和海盆深層に音響ドップラー流速プロファイラー (ADCP) を係留し、非常に高い時間分解能で流速を測定することにより、近慣性内部波 (NIW) の鉛直伝播を観測した。流れと水温の計測値には NIW と関連した近慣性周期の変動が認められ、また流向の偏向度から NIW の鉛直•水平波数として 1.741 × 10-3m-1および2.563×10-4m-1が見積もられた。観測された流速の位相は下向きに 5.34×10-2 ms-1の速度で伝播しており、このことは上向きの群速度をもつ NIW の存在を示している。観測点を通る NIW のエネルギーレイパスの逆追跡から、観測されたNIWは表層で生成された内部波が下層に伝播し、海底で反射したものであることが示唆された。また観測された NIW の原因の一つとして、時計回りの風向変化イベントが示唆された。