La mer
Online ISSN : 2434-2882
Print ISSN : 0503-1540
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  • 丸山 啓太, 金子 知宏, 河野 博
    2023 年 61 巻 1-2 号 p. 1-11
    発行日: 2023/12/28
    公開日: 2024/01/06
    ジャーナル オープンアクセス
    造成された人工海浜公園を魚類がどのように利用しているのかを明らかにすることを目的として,チチブTridentiger obscurus の出現様式と食性を調査した。採集は,東京都大田区の「大森ふるさとの浜辺公園」の人工海浜,干潟,直立護岸において,小型地曳網とカゴ網を用いて行った。採集されたチチブは,海浜で119 個体(体長 6.3-46.6 mm,モードは 5.0-9.9 mm),干潟で89 個体(6.2-42.6 mm,10.0-14.9 mm),直立護岸で1,092 個体(8.0-73.7 mm,40.0-44.9 mm)であった。海浜と干潟における主な餌生物は,体長11.0 mm まではカラヌス・キクロプス目などの動物プランクトンであったが,体長11.0 mm 以降は端脚類などの底生・半底生小型甲殻類であった。一方で,直立護岸では体長による食性の変化はなく,端脚類などの底生・半底生小型甲殻類や多毛類を摂餌していた。これらの結果を地点間で比較すると,チチブは発育段階ごとに生息場や餌生物を変えることで,人工的な環境で生活史のほとんどを過ごしている可能性が示唆された。
  • 松本 凌, 今 孝悦
    2023 年 61 巻 1-2 号 p. 13-18
    発行日: 2023/12/28
    公開日: 2024/01/06
    ジャーナル オープンアクセス
    ヒザラガイAcanthopleura japonica の食性及び成長に伴う栄養段階の変化を検討した。神奈川県三浦半島城ヶ島の潮間帯で採集された18 個体の消化管内容物の分析より,最も豊富な内容物は紅藻類(37.0%),次いで緑藻類と褐藻類(各5.6%),二枚貝(5.0%),ダニ(2.6%),そして非生物起源の内容物として鉱物(石や岩石の破片)が認められた。このような消化管内容物の組成は,九州の天草の個体群における調査結果と一致しないことから,A.japonica の食性は生息地の環境によって異なり,非選択的な雑食性であることが示唆された。また,体長と食性との相関は見られなかったことから,A.japonica は成長に伴う食性変化がないことが示唆された。以上のことから,A.japonica は雑食性であり,かつ成長段階に応じた栄養段階の変化は生じないことが明らかとなった。
  • 寄高 博行, 久保川 厚, 花輪 公雄
    2023 年 61 巻 1-2 号 p. 19-29
    発行日: 2023/12/28
    公開日: 2024/01/06
    ジャーナル オープンアクセス
    黒潮大蛇行には,蛇行の谷(最南端)が伊豆・小笠原海嶺の西にある大蛇行西偏流路(LMW)と,谷が海嶺上にある大蛇行東偏流路(LME)の2 種類が存在する。蓄積された黒潮流路データを用いて,LMW とLME の特性を比較した。5 回のLMW と3 回のLME を比較すると,LME の蛇行の中心緯度はLMW よりも高く,LMEの蛇行の振幅はLMW よりも小さかった。流路方程式の解を黒潮流路にフィッティングした結果,LME の初期流路方向はLMW よりも小さかったが,LME の特性速度と蛇行の波長はLMW と有意な違いはなかった。LMEとLMW の谷の経度の違いは,離岸経度の違いによるもので,特性速度の違いに伴う蛇行の波長の違いではない。
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