2017 年 13 巻 2 号 p. 104-110
本稿は建築LCAの最新状況を紹介したものである。建築LCAの研究開発は日本建築学会において1990年にスタートし、建物のLCA指針となった。その手法を応用した国、自治体の公共建築の設計に活用される気候変動緩和対策評価ツールが開発・運用され、民間企業でも幅広く利用されている。また、2007年からは戸建住宅からあらゆる用途の大規模建築までを対象とする簡易LCA手法が建築環境総合性能評価システム(CASBEE)に組み込まれ、幅広く活用されている。さらに建築LCAにおいて室内空気質汚染を始めとする室内環境による健康影響評価が行われている。