2017 年 13 巻 4 号 p. 298-302
本稿では発電システムを対象としてLCAの過去から現在に至る分析手法をレビューし、主にLCCO2(Life Cycle CO2 emissions)の評価について、系統電力、再生可能エネルギーによる電力、分散電源を対象として主要な評価結果と評価における課題について述べる。燃料を除く投入エネルギーに対する産出エネルギーの比であるエネルギー収支は、発電システムの技術が成立するかについての重要な指標だったが、地球温暖化問題への関心とLCAの広まりとともに主要な指標はLCCO2に置き換わっている。系統電力や主な再生可能エネルギーについてはオーソライズされたLCCO2評価が存在するが、水素やバイオマスなどを利用する分散電源のLCCO2評価についてはデータの取得や評価手法の点で依然困難な問題が残されている。