日本LCA学会誌
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研究論文
ライフサイクル思考がもたらす「つながり感」を測定する尺度の開発
森 健太朗本藤 祐樹
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2018 年 14 巻 1 号 p. 2-12

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抄録

近年、環境教育への新たな取り組みとして、ライフサイクル思考を学ぶ環境教育(以下、LCT 環境教育)が注目されている。LCT 環境教育を通して、学習者が製品やサービスのライフサイクルを意識することで、日常生活と環境問題の「つながり」を理解そして実感し、環境配慮行動を高めることが期待されている。本研究の目的は、LCT 環境教育プログラムの効果を評価する上で鍵となる、この「つながり感」の測定尺度を作成することである。本研究では、第一に、既往研究を参考に「つながり感」を定義し、「つながり感」を測るための複数の質問項目から成る質問紙を作成している。第二に、その質問紙を用いて523 名の高校生を対象とした予備調査を実施して、質問項目を洗練し「つながり感」尺度を提示している。最後に、この「つながり感」尺度を用いた質問紙調査を553 名の高校生に実施し、「つながり感」尺度の信頼性と妥当性を検証している。算出したクロンバックのα 係数や因子分析の結果から、「つながり感」尺度は高い信頼性と妥当性を持つことが認められる。

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© 2018 日本LCA学会
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