日本LCA学会誌
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研究論文
LCA分析とDEAを用いた家庭用燃料電池システムにおける環境性及び性能を考慮した指標(FC-DEA)の提案
佐藤 聖史徐 維那堂脇 清志
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2018 年 14 巻 1 号 p. 36-45

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抄録
近年、家庭部門の地球温暖化対策と分散型電源の需要の高まりから日本において、家庭用燃料電池の販売が拡大されており、欧州でも需要が拡大されるとみこまれているため注目されている。国際電気標準化会議/技術委員会105(International Electrotechnical Commission/Technical Committee 105: IEC/TC 105)においては、燃料電池の安全面、性能面、及び環境面を考慮した統合的な指標により製品の品質の向上を目指したスキームを検討している。本研究では、家庭用燃料電池コジェネレーションシステムとして販売されている固体高分子形燃料電池コージェネレーションシステム(Polymer Electrolyte Fuel Cell Cogeneration System: PEFC-CGS)、及び家庭用固体酸化物形燃料電池コージェネレーションシステム(Solid Oxide Fuel Cell Cogeneration System:SOFC-CGS)を対象に、ライフサイクルアセスメント(Life Cycle Assessment: LCA)を行い、得られた環境影響値に包絡分析法(Data Envelop Analysis: DEA)を適用することで環境性と性能を考慮した指標(DEA による効率値を定義し、以下、FC-DEA と表記する。)を提案した。この結果、FC-DEA はPEFC-CGS は0.846、平板型セル・スタックを使用したSOFC-CGS は0.648、アノード支持型のセル・スタックを使用したSOFC-CGS は1.000となり、アノード支持型のセル・スタックを使用したSOFC-CGS が最も環境性と運転性能を両立した製品であると評価された。
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© 2018 日本LCA学会
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