抄録
本論文では、日本国内の二輪車のストック・フローに関するデータ間の整合性を検証することで、二輪車の保有台数が過大評価となっている可能性を検討する。保有台数について、公式データである検査・届出台数と、軽自動車税課税台数、税収納率、自賠責保険加入台数、消費実態調査から推定される保有台数などを比較・分析する。その結果として、車検制度対象外の車種である軽二輪や原付の公式データ保有台数は、より実態に近いと考えられる他のデータより過大になっていることを示す。車検制度対象車種の小型二輪については、実態に近いことを示唆するデータと過大であることを示唆するデータの両方があり、今回の分析からは結論付けられないが、車検制度対象外の車種と比べれば、過大評価の程度は小さいことを示す。