日本LCA学会誌
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研究論文
気象要因を考慮した植物資源利用システム設計のための単収予測統計モデル:サトウキビからの砂糖・エタノール複合生産システムへの適用事例
福島 康裕中村 遼太郎大野 肇小原 聡菊池 康紀大内田 弘太朗寺島 義文服部 太一朗杉本 明
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2018 年 14 巻 4 号 p. 302-318

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抄録

植物資源利用システムにおいて、農業(品種改良や営農操作など)、工業(原料抽出や加工など)の両サブシステムを大域的に最適化するために、ライフサイクル思考を適用して設計された変更案を用いることが収益性の向上や環境影響の低減に有効となりうる。そのような設計を行う際には、植物の特徴である気象要因の変動への感応性の違いを適切に考慮し、反映することが肝要である。そこで、本論文では、サトウキビを事例として、品種育成時に試験圃場で測定される一般的なデータ、気象庁の気象観測データ、農家圃場の生長状況データを統計的に解析することにより、ある地域における特定の品種の気象感応性を数理化し、品種ごと、面積あたりの生産性(単収)予測モデルを作成した。さらに、このモデルを用いて既往研究で構築された農工横断型生産シミュレーターを拡張し、将来の気象要因の変動を想定すれば、現地の事情に密接に対応した農業・工業の両システムの設計が可能であることを示した。気象要因の変動を考慮することによって品種間の優位性の評価結果が変わる可能性があることも明らかとなった。

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© 2018 日本LCA学会
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