2019 年 15 巻 2 号 p. 161-173
近年、シェアリングエコノミーは経済活性化、社会問題の解決、さらに環境面の効果も期待できるとして脚光を浴びているが、実際に従来の経済活動から環境負荷を削減できるかどうかは不透明である。シェアリングエコノミーが持つ環境負荷削減ポテンシャルを明らかにすべく、本稿ではまず従来から現代に至るまでのシェアリングの特徴を集成し、シェアリングエコノミーにおける概念フレームワークを把握する。次に、LCAによるシェアリングエコノミーの評価の枠組みを整理し、シェアリングが普及することによる環境負荷の増減要因を具体化する。その増減要因に基づき、シェアリングに伴う環境負荷や資源消費の増減がどういった側面から評価されているのか、ライフサイクル思考に基づいて国内外の評価事例をレビューする。