日本LCA学会誌
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オリンピック・パラリンピックと持続可能性に配慮した調達
深津 学治
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2020 年 16 巻 1 号 p. 14-20

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抄録

オリンピック・パラリンピック競技大会は、スポーツ界だけでなく、社会経済等、多岐に渡る影響を及ぼす世界最大規模のスポーツイベントである。また、その影響は、開催都市のみならず、開催国、さらには世界にまで広く及ぶ。そのため、東京 2020 大会では、環境面に加え、社会面にも配慮した製品やサービスの調達(持続可能性に配慮した調達)が行われている。持続可能性に配慮した調達は、サプライチェーン全体の配慮を進める上で有効な手段で、事業者にとってビジネス上のチャンスにすることができる。一方で、対象範囲の設定や人員体制の不足、サプライチェーンの数の多さ等の課題もある。これに対してグリーン購入ネットワーク(GPN)は、持続可能な調達に対応した事業者であることを確認し、アピールするためのプログラムとして、持続可能な調達アクションプログラムを立ち上げた。このプログラムには、自社や自社製品・サービスの環境面のみならず、社会面の取り組みやサプライヤーへの確認状況などをセルフチェックする評価チェックリストが用意されている。本稿では、東京 2020 大会を例に、持続可能性に配慮した調達が必要と考えられる背景や最近の動向、今後の対応方策、取り組むためのステップ等について論じる。

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