2023 年 19 巻 3 号 p. 106-116
近年、プラスチック資源循環による環境負荷の削減効果を LCA で評価するための方法が改めて問われているが、それには以下の要因があると思われる。すなわち、①脱炭素社会とサーキュラーエコノミーの実現が同時に求められている社会的背景、②評価方法に不確定な要素が残されていること、③資源循環の評価において「廃棄物処理」の視点に加えて「原料生産」の視点が強調されてきたことである。そのため、資源循環による社会全体としての負荷の削減効果を、どのように再生原料の供給側と需要側に割り当てるかという議論が避けて通れなくなっている。その評価には様々な手法が提案されているが、どういった条件を満たす循環利用に対して、どの手法を適用するべきかについては議論が煮詰まっていない。本稿では、プラスチックの資源循環を念頭に、リサイクルを含む循環利用のオプションを LCA で評価および比較する方法について解説する。まず、カットオフ法および負荷回避法と、負荷と削減効果の割当手法について、プロセスフローの図解によって説明する。また、プラスチック資源循環の評価に残された課題として、評価手法の選択、負荷を控除するプロセスの特定、資源循環の効果の表示に関わる問題について述べる。