抄録
症例は67歳女性.X年2月中旬から腹痛,下痢を認め,近医受診し整腸剤が処方されたが改善なく,発熱・嘔気も認めるようになり,2日後に当院救急外来受診.腹部CT所見から急性大腸炎,腹膜炎の診断で緊急入院とし,保存的加療を開始した.しかし,翌日に腹痛増悪,酸素化ならびに血圧低下傾向を認め,腹部CTでも増悪していた.病態把握目的に緊急下部消化管内視鏡を施行したところ,偽膜形成や潰瘍所見を認め,CD抗原も陽性であり,劇症型偽膜性大腸炎と診断した.緊急で大腸亜全摘,直腸皮膚瘻,回腸人工肛門造設術を施行し,救命し得た.なお,後日取り寄せた薬手帳から入院約2週間前に膀胱炎疑いで抗菌薬が処方されていたことが判明した.