2026 年 22 巻 1 号 p. 56-66
ICT産業の電力消費量が増加している。ICT機器の電力は機器上で動作するソフトウェアの影響を受けるため、ソフトウェアもその消費電力増加の一因となっている。そのため、ソフトウェア分野における環境負荷削減が必要であるが、ソフトウェアの特に開発段階における環境負荷についてはこれまで詳細が明らかになっていなかった。そこで本研究では、ソフトウェアのGHG排出の実態を把握するために3件の小規模な非商用のソフトウェア開発プロジェクトを題材に、開発段階のカーボンフットプリントを算定した。GHG排出量はそれぞれ131 kg-CO2eq、369 kg-CO2eq、923 kg-CO2eqであった。いずれのプロジェクトにおいても主要な排出源はICT機器の生産・使用、生産拠点における空調・照明利用、出張、ネットワーク利用であり、人的活動による排出が一定の割合を占めていることがソフトウェア製品の特徴であることがわかった。また、ICT機器の消費電力に関して、開発工程・作業種別の観点から相対的な大小関係の傾向を見出した。