2020 年 1 巻 p. 41-49
HPLC によるキラルアミンの鏡像異性体分離において、2 種類の異なるキラル固定相の分離性能を 1-アリールエチルアミン類を試料として比較した。クラウンエーテル形キラル固定相(CSP-1)は、1 位のアリール基に嵩高い置換基を持つアミン類に対して優れたキラル 分離能を示した。一方、水酸基をアセチル化した β-シクロデキストリン形キラル固定相 (CSP-2)は、1-フェニルエチルアミンとそのモノ置換体及び 1、2-ジアリールエチルアミ ン類のキラル分離に有効であった。CSP-1 と CSP-2 は、置換基の異なる 1-アリールエチル アミン類に対して、互いに相補的なキラル分離能を有する事が認められた。両固定相で共に分離したキラルアミンの鏡像異性体の溶出順は同じであった。これら 2 種のキラル固定相をそれぞれの特性を考慮して選択する事により、多くのキラルアミンに対するキラル分離メソッド開発が可能になる事が期待される。