2021 年 2 巻 p. 6-25
逆相クロマトグラフィーで用いられるシリカ系逆相固定相について、以下の事柄を考察した。逆相固定相C18、C30、C8、Phenyl-hexyl、Biphenyl、PFP(pentafluorophenyl)、PFP&C18の水素結合性、疎水性及び立体選択性を調べ、メチル馬尿酸やスチルベン等の分離を比較する事によって、各固定相の分離特性を評価した。シリカ表面へのアルキル基シリル化試薬のモノ・ジ・トリ官能基による結合について、加水分解による劣化を考察した。酸性条件ではトリ官能基による結合が最も加水分解を受け難い事を電子密度の観点から考察した。高背圧でカラムを使用した場合に問題になる摩擦熱について、3種類のシリカ基材について比較した。内部に核をもつ表面多孔性シリカ基材が最も摩擦熱の影響を受けない事が確認された。カラム外容積によるピークの広がりを比較し、カラム外拡散の影響を極力減らした場合には、早く溶出するピーク程、理論段数が高くなる事が確認された。