生体タンパク質の一斉定量定性分析法の一つとして、蛍光誘導体化(fluorogenic derivatization,FD)-LC-MS/MS法が利用される。本手法の分析能力は、LCにおける分離に依存する事から、カラム分離能の向上を目的とし、フェニル修飾モノリスシリカキャピラリーカラムを用いるナノフローLC-蛍光検出システムを構築した。構築したシステムでは、発蛍光誘導体化した酵母(Saccharomyces serevisiae)並びにヒト細胞(K562)抽出タンパク質試料に対し、1,400分のグラジエント溶離において其其1,300を超えるピークを与えた。一方、LCにおける分離能の向上により近接する多数のタンパク質ピークが発現する為、試料間比較における視認性が低下すると考えられた。この課題解決の為、多タンパク質分離クロマトグラムの比較描写法として、通常のデカルト座標系から円座標系へ変換したクモの巣クロマトグラムを考案した。
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