LCとLC/MSの知恵
Online ISSN : 2436-1194
2 巻
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目次
巻頭言
総合論文
  • 長江 徳和
    原稿種別: 総合論文
    2021 年 2 巻 p. 6-25
    発行日: 2021/06/15
    公開日: 2022/04/08
    ジャーナル オープンアクセス

    逆相クロマトグラフィーで用いられるシリカ系逆相固定相について、以下の事柄を考察した。逆相固定相C18、C30、C8、Phenyl-hexyl、Biphenyl、PFP(pentafluorophenyl)、PFP&C18の水素結合性、疎水性及び立体選択性を調べ、メチル馬尿酸やスチルベン等の分離を比較する事によって、各固定相の分離特性を評価した。シリカ表面へのアルキル基シリル化試薬のモノ・ジ・トリ官能基による結合について、加水分解による劣化を考察した。酸性条件ではトリ官能基による結合が最も加水分解を受け難い事を電子密度の観点から考察した。高背圧でカラムを使用した場合に問題になる摩擦熱について、3種類のシリカ基材について比較した。内部に核をもつ表面多孔性シリカ基材が最も摩擦熱の影響を受けない事が確認された。カラム外容積によるピークの広がりを比較し、カラム外拡散の影響を極力減らした場合には、早く溶出するピーク程、理論段数が高くなる事が確認された。

ノート
  • 小林 宏資, 今井 一洋
    原稿種別: ノート
    2021 年 2 巻 p. 26-34
    発行日: 2021/06/15
    公開日: 2022/04/08
    ジャーナル オープンアクセス

    生体タンパク質の一斉定量定性分析法の一つとして、蛍光誘導体化(fluorogenic derivatization,FD)-LC-MS/MS法が利用される。本手法の分析能力は、LCにおける分離に依存する事から、カラム分離能の向上を目的とし、フェニル修飾モノリスシリカキャピラリーカラムを用いるナノフローLC-蛍光検出システムを構築した。構築したシステムでは、発蛍光誘導体化した酵母(Saccharomyces serevisiae)並びにヒト細胞(K562)抽出タンパク質試料に対し、1,400分のグラジエント溶離において其其1,300を超えるピークを与えた。一方、LCにおける分離能の向上により近接する多数のタンパク質ピークが発現する為、試料間比較における視認性が低下すると考えられた。この課題解決の為、多タンパク質分離クロマトグラムの比較描写法として、通常のデカルト座標系から円座標系へ変換したクモの巣クロマトグラムを考案した。

CERIクロマトグラフィー分析賞受賞業績
液体クロマトグラフィー努力賞受賞業績
液体クロマトグラフィー科学遺産認定業績
シリーズ「試料分析の定石とコツ」
  • 三上 博久
    原稿種別: シリーズ「試料分析の定石とコツ」
    2021 年 2 巻 p. 102-120
    発行日: 2021/06/15
    公開日: 2022/04/08
    ジャーナル オープンアクセス
  • 伊藤 誠治
    原稿種別: シリーズ「試料分析の定石とコツ」
    2021 年 2 巻 p. 121-130
    発行日: 2021/06/15
    公開日: 2022/04/08
    ジャーナル オープンアクセス

    サイズ排除クロマトグラフィー(size exclusion chromatography、SEC)とは、分子サイズを基に分離が行われるHPLCの分離モードの1つであり、主に、高分子化合物の分離分析及び物性評価に用いられている。1964年にJ.Mooreが架橋ポリエチレンゲルを用いて合成高分子の分子量分布を測定した事1)が始まりであるとされ、現在でも高分子分析における必須の手法である。本稿では、SEC分析に用いる装置構成、分離原理、分子量測定方法、条件設定のコツ等を説明し、併せて、応用例を紹介する。

先達に学ぶ
提言
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