日本酒はブランドや商品によって味や香り(味わい)が大きく異なり、その多様性は魅力のひとつである。嗜好を左右する味わいは利き酒により評価しているが、日本酒メーカーは「テロワール」を生かして醸した日本酒の味わいの特長を分かり易く伝えたいと考えている。それを科学的根拠に基づきデータで見える化すれば、消費者は嗜好に合った日本酒商品を選択する事が出来る。
本稿では、香気成分と味関連成分を、其其ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)と液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS)にて分析し、複数データの統計解析結果を用いて日本酒の味わいの分布を見える化する試みを報告する。味わいマップが商品のポジショニングに活用出来る事例も併せて紹介する。