蝶と蛾
Online ISSN : 1880-8077
Print ISSN : 0024-0974
日本産Myrteta属とScionomia属の幼虫
佐藤 力夫
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1977 年 28 巻 2 号 p. 69-84

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抄録

本報は日本産シャクガ科幼虫の分類学的研究の一部をなすものである.今回はエダシャク亜科の2属,MyrtetaとScionomiaについて,日本産全種の幼虫を記載する.記載にあたっては,本科本亜科に明らかに共通と思われる形質の記載は努めて簡略化したが,各属の記載中にも今後の研究によって他属と共通であることが判明してくる形質が当然含まれていると考えられるが,それらの不備については後日改めていきたい.本報では主として十分に成長した終齢幼虫について記載するが,1齢幼虫をはじめ各齢期の幼虫も可能な限り観察したので,必要に応じて言及したい.前胸・中胸・後胸は,それぞれT1,T2,T3で,腹節はA1-A10であらわす.刺毛の名称は基本的にはHinton(1946)のシステムを採用するが,肛上板・尾脚上の刺毛はDugdale(1961)に従う.また,A1-A7各節の刺毛L2後腹方の本科に特徴的な過剰刺毛は,Dugdale(1961)に従い「L4」と呼称する.

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© 1977 日本鱗翅学会
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