蝶と蛾
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インドネシア,バビ島産Gandaca harinaの学名,およびその雌の発見
山内 健生矢田 脩Rienk de JONG
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2000 年 51 巻 4 号 p. 298-300

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抄録

インドネシア,メンタワイ諸島のバビ島に産するGandaca harina babiensis Hanafusa,1994はVan Eecke(1913)がバビ島からG.harinaの変種として記載したgilvaと同一の分類群であることが明らかになった.変種gilvaの記載は,命名規約第4版45.6.4項の適用により亜種として適格で,この結果,babiensisはgilvaのjunior synonymと結論される.したがって,本種のバビ島産の亜種名はG.harina gilva Van Eecke,1913となる.さらに,これまで未知であったバビ島産の雌が発見されたため,G.harina gilvaの雌雄の記載を行った.本亜種の雄は,前翅表面の黒帯がほぼ消失する顕著な特徴が知られており,今回発見された全ての雌も雄同様,前翅毒面の黒帯がほぼ完全に消失している.この特徴から,本亜種は他の亜種から容易に識別可能である.なお本亜種の雌雄交尾器の形態は,Gandaca harinaの特徴と一致する.

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© 2000 日本鱗翅学会
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