蝶と蛾
Online ISSN : 1880-8077
Print ISSN : 0024-0974
ヒゲナガキバガ科におけるえい食者の記録
杉浦 真治山崎 一夫石井 宏幸
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2002 年 53 巻 1 号 p. 12-14

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抄録
ゴマフシロキバガScythropiodes leucostola(Meyrick)(チョウ目ヒゲナガキバガ科)の幼虫が,ナラメリンゴタマバチBiorhiza nawai(Ashmead)(ハチ目タマバチ科)によってコナラの芽に形成された虫えいに穿孔し摂食しているのが観察された.これまで,虫えいを摂食するチョウ目では10科が知られているが,我々の知る限りヒゲナガキバガ科では初めての記録である.ゴマフシロキバガは様々な樹種の葉を食べることが知られており,これまで報告された多くのえい食者と同様,機会的えい食者であると考えられた.また,摂食された虫えいから,ナラメリンゴタマバチの成虫が多数羽化してきたことから,ゴマフシロキバガの幼虫による摂食が虫えい形成者に与える影響は少ないものと考えられた.
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© 2002 日本鱗翅学会
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