本州および九州で,キイロモグリチビガ Etainia peterseni (Puplesis, 1985)に似た1新種を発見したので,記載するとともに,キイロモグリチビガの再記載を行った.
Etainia peterseni (Puplesis, 1985) キイロモグリチビガ
開張6.9-8.9 mm.頭毛は濃黄〜橙色.前翅は黄色みがかったクリーム色で,前翅中央の横条と基部前縁は暗褐色.後翅は灰褐色.♂交尾器のバルバは先端近くの腹面側に細長い突起をもつ.グナトスの中央突起は短い.ファルスにはカトレマ付近にM字型の硬化部をもつ.♀交尾器のT8後方は尖る.ベスティブルムは大きく丸く,シグナは小さい.分布:日本(北海道,本州,九州);沿海州.
Etainia parva Yagi & Hirowatari sp. nov. ヒメキイロモグリチビガ (新種,和名新称)
開張5.8-7.8 mm.頭毛は濃黄〜橙色.前翅は黄色みがかったクリーム色で,前翅中央の横条と基部前縁は暗褐色.♂交尾器のバルバは基部近くの腹面側が張り出す.グナトスの中央突起は長い.♀交尾器のT8後方は尖らない.ベスティブルムは角張り,シグナは大きい.分布:日本(本州,九州).
本種の外見はキイロモグリチビガ E. peterseniに酷似しているが,小型であり,前翅の横帯も太い.しかし,個体変異が見られる.本種はキイロモグリチビガに比べ南方あるいは低所で採集されるが,ほぼ同所的に得られている地点もあるため交尾器による同定が確実である.本属はカエデの翼果に潜孔することが知られているが,日本での生態は不明である.