2011 年 13 巻 p. 147-157
本稿ではネイティブスピーカー (NS) によって学習者に与えられたリキャストの効果と、その効果が妨げられるのは、どのようにリキャストが与えられた場合かについて観察・分析された。32名の高校生がNSから一対一のインタビューテストを受け、記録された会話がデータとして質的に分析された。その結果、リキャストの後、34%のケースにおいて、学習者が自分の誤りを訂正していたことが記録された。 また、NSが訂正の意図のないリキャストを与える現象、学習者に訂正の機会を与えない現象が多く記録された。さらに、明示的な訂正的フィードバックの後、50%のケースにおいて会話の流れが妨げられたが、リキャストの場合は7%だったことから、リキャストは明示的な訂正的フィードバックに比べ会話の流れを妨げない傾向にあるということが示唆された。