2023 年 21 巻 p. 19-38
エンゲージメントは動機づけ風土、教師・生徒関係、達成度といった複数の構成要素や成果に関連する教育心理学の構成要素である。本研究では日本の大学学部1年生316名を対象に英語におけるエンゲージメントと達成度を予測するための調査を実施した。相関分析及び階層的に重回帰分析を行い検討した結果、2つのモデルを得た。同時効果(モデル1)と直接媒介(モデル2)である。この2つのモデルに共分散構造モデリング(SEM:Structural Equation Modeling)を行い、適合度やパス係数を検討した。その結果、直接媒介の方がより適切であった。その結果、教師の自律性支援は心理的欲求を満たし、それがエンゲージメントを予測し、英語学習の達成度を向上させることが明らかとなった。したがって、英語教育において、学生の基本的心理的欲求を満たすための教師の自律性支援指導の重要性が示唆された。