マクロ・カウンセリング研究
Online ISSN : 2434-3226
Print ISSN : 1347-3638
親との離別という“あいまいな喪失”体験をした保育園児へのパンデミック下での心理社会的支援の課題
加藤 恵美いとう たけひこ井上 孝代
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2021 年 14 巻 p. 17-29

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抄録
新型コロナウイルスのパンデミックによってそれ以前の社会と生活は失われ、子どもの心と生活にも大きな影響を与えた。 離婚件数は減少傾向にあるが、親が離婚した子どもの人数は年間約21万人(2019)に上る。 子どもがアタッチメント対象を失うことによる影響と具体的な心理社会的支援の方策が明らかとなっているが、保育分野ではほとんど議論がなされていない。 保育所保育指針に示されている保育士の専門性と、保育士への面接調査と質問紙調査結果をあいまいな喪失の観点から検討した結果、保育士はアタッチメント対象を喪失した子どもへの直接援助と周囲の大人へのガイダンスの役割を担える専門性を備え、日常生活で支援を行える専門職であることが明らかとなった。今後の課題として(1)現職保育士への喪失体験支援に関する心理教育の枠組みを用いた体験型研修の実施と、(2)“あいまいな喪失”体験支援における保育士が担うべき専門性の範囲の検討、(3)パンデミック下における保育分野での“あいまいな喪失”理論(Boss,1999/2005)の応用が示唆された。
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