抄録
本研究の⽬的は,⽇本における「合理的配慮」に関する研究動向を明らかにすることである。対象はCiNii Research に掲載されたタイトルに「合理的配慮」が含まれる論⽂とし,分析にはAIテキストマイニングを使⽤し,単語の出現⽐率の⽐較を統計的に⾏った。論⽂のタイトルに「合理的配慮」を含むものは2002 年から⾒られた。2016 年にピークとなり,2021年にかけて減少し,2024年にかけて微増した。まず,2016 年に論⽂数がピークを迎えた理由として障害者差別解消法の制定,施⾏が関係していると考えられた。次に,2016 年から2021 年にかけて論⽂数が減少した理由として,法整備から実践報告へと主題が変化したことに加え,従来の合理的配慮の内容の⼀部が⼀般化したことが関係していると考えられた。2024 年にかけて論⽂数が増加した理由として,障害者差別解消法の改正により「合理的配慮」が再び注⽬を集めたためと考えられた。「合理的配慮」をタイトルに含む論⽂数は,法律の動きと連動して推移し,その後,実践報告へ移⾏していくと考えられた。