哺乳類科学
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短報
宮崎県北部におけるカモシカの生息記録の分布の特徴
安田 雅俊栗原 智昭緒方 俊輔
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2012 年 52 巻 1 号 p. 41-45

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抄録
九州において絶滅のおそれのある国の特別天然記念物カモシカCapricornis crispusの生息記録を宮崎県北部の高千穂町において収集し,1996–2011年にかけての目撃,自動撮影,死体,個体保護からなる生息記録13件を得た.それらの生息記録と地形との関係をみたところ,カモシカは標高400 m以上に分布し,最大傾斜角32度以上の急峻な地形を好むことが示唆された.カモシカ九州個体群の保全のためには,さらに広域に生息記録を収集するとともに,植生等のその他の重要な環境要素を加えた,九州における本種の潜在的なハビタットをより正確に判定するモデルを開発することが望まれる.
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© 2012 日本哺乳類学会
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