マーケティングジャーナル
Online ISSN : 2188-1669
Print ISSN : 0389-7265
論文
消費者視点のリテール・ブランド・エクイティ
─ 食品スーパーを対象にしたモデルの検討 ─
髙橋 広行
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2014 年 33 巻 4 号 p. 57-74

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抄録

近年,わが国の小売業界は非常に厳しい状況にある。この状況において,小売企業は顧客からロイヤルティを得て,継続的に利用してもらうことが重要である。そのひとつの施策がブランドを通じた競争優位性である。本研究では特に競争の激しい食品スーパーのリテール・ブランド・エクイティの構造を明らかにすることを試みたものである。エクイティの形成に影響する要素を整理しつつ,エクイティの構成要素と行動的ロイヤルティの関係をデータ分析を通じて確認した結果,企業活動によるイメージよりも店舗活動によるイメージがエクイティ形成に影響すること,エクイティの構成要素のうち,感情的ロイヤルティと経験価値が行動的ロイヤルティに影響すること,さらに,食品スーパーのタイプ(「大手チェーン」「ローカルチェーン」「個性的なスーパー」)によってその傾向が異なることが明らかになった。

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© 2014 The Author(s).
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