マーケティングジャーナル
Online ISSN : 2188-1669
Print ISSN : 0389-7265
最新号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
巻頭言・新編集委員長挨拶
  • 西川 英彦
    2019 年 39 巻 2 号 p. 3-5
    発行日: 2019/09/27
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー HTML

    In recent years, there have been many reports of “User Innovation”, in which companies and consumers that are users of products and services develop and improve these products and services for their own use. However, there is also a reality that these user innovations are not being effectively leveraged throughout society. In this environment, pioneering companies are leveraging user innovation. There are two typical approaches: the “Lead User Method”, in which companies search for cutting-edge users who are highly likely to generate commercially attractive innovations; and the “Crowdsourcing Method”, in which companies openly solicit publicly through the Internet, and users can post their own solutions. However, despite many pioneering efforts and progress with research in this area, user innovation approaches are still not well established. Therefore, we have dedicated this special issue to the theme of “How to Leverage User Innovation by Companies”, with four invited peer-reviewed papers. Finally, on a personal note, I would like to greet you as the new Editor-in-Chief of the Japan Marketing Journal. I was appointed to this position in April this year.

特集論文 / 招待査読論文
  • 水野 学, 小塚 崇彦
    2019 年 39 巻 2 号 p. 6-21
    発行日: 2019/09/27
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー HTML

    本稿の目的は,リード・ユーザーとメーカーの共創型製品開発について議論することである。ユーザーイノベーション理論の実務分野への応用は近年,ユーザー・コミュニティを活用した方法の研究が活発になっている一方,かつて主流であったリード・ユーザー法に関する研究はあまり進展が見られない。しかし高い革新性を持つ製品開発において,リード・ユーザー法はコミュニティ活用型よりも有効に機能する可能性がある。そこで本論文では,フィギュアスケートのトップクラスの選手による用具開発の事例を,リード・ユーザー論および情報の粘着性概念を手がかりに解釈することで,リード・ユーザーとメーカーによる共創型製品開発の意義と課題について明らかにする。

  • 青木 慶
    2019 年 39 巻 2 号 p. 22-35
    発行日: 2019/09/27
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー HTML

    本稿の目的は,企業とユーザーの価値共創のさらなる発展に向けて,ユーザーの参画およびアイデア共有を促す,有効なインセンティブを明らかにすることである。Appleが運営する教育者のユーザーコミュニティを事例研究の対象とし,17名のコミュニティメンバーにインタビュー調査を行った。その結果,単なるユーザーではなく,有用なイノベーションを行う可能性の高い「リードユーザー」を組織化することで,コミュニティ自体が有効なインセンティブとして機能しうることが示された。Appleではコミュニティメンバーに外発的・内発的なアプローチを行い,コミュニティにおける活動を活性化し,ユーザーと「教育の革新」という社会的な価値を共創していることが明らかになった。

  • 大原 悟務
    2019 年 39 巻 2 号 p. 36-48
    発行日: 2019/09/27
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー HTML

    本稿の目的は医療分野におけるユーザーイノベーションの意義や実現可能性を考察することにある。医療の概念とユーザーイノベーションの概念を広く捉え,同イノベーションの分類や多様性を確認した。今後,検証が必要となるが,患者の生活の質の向上を目的としたものや患者の所有物を対象にしたユーザーイノベーションについては実現可能性が高いものと考えられる。一方,医薬品や医療機器については患者だけで開発を進めるのが難しく,患者側が臨床試験や治験の被験者を紹介したり,患者の視点から臨床試験や治験のあり方を提案するといった形で製薬企業などとの共創や連携を進めるのが現実的であるとの見解を示した。開発プロセスへの患者団体の参画について,日本ではまだ件数が少ないが,日本せきずい基金と日本網膜色素変性症協会の取り組みを紹介した。ただし,この2件は大学などの研究機関と患者団体とが連携,交流したものである。製薬企業と患者団体との連携が待たれるところである。

  • 清水 信年
    2019 年 39 巻 2 号 p. 49-60
    発行日: 2019/09/27
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー HTML

    小売企業間の競争において,製品差別化を実現できるようなPBや独自商品の開発が重要となっている。生産設備や開発力などの点でメーカーに劣る小売企業が魅力的な製品開発を行うためには,大きな販売力を持ち消費者に関する情報の源でもある店舗の存在がその源泉とであると考えられてきた。加えて,そこで働く従業員の中には店舗で扱う製品についてのリードユーザーが存在しており,製品開発活動にそうした店舗従業員が関与することによって独自性の高い製品が生み出される可能性がある。スポーツ用品販売チェーンと食品スーパーに関する事例研究を行った結果,ユーザーイノベーションの代表的なマネジメント手法であるリードユーザー法とクラウドソーシングが実践され成果を挙げていることが確認された。

レビュー論文 / 招待査読論文
  • 岡田 庄生
    2019 年 39 巻 2 号 p. 61-67
    発行日: 2019/09/27
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー HTML

    企業の新製品開発プロセスに参加するユーザー(消費者)が増えている。企業はユーザーから製品アイデアを得るだけでなく,ユーザーのアイデアから生まれた製品であるという情報を表示することで,その表示を見た消費者の購買意向を高めることが可能である。本稿では,製品アイデアの発案者が企業ではなくユーザーであることを明示することで,消費者が購買の意思決定に影響を与える効果を「発案者効果(Originator Effect)」と名付け,その既存研究を整理する。発案者効果の既存研究は,以下の2つの潮流,すなわち(1)発案者効果の背景を探る「媒介要因研究」,(2)発案者効果が失われる条件を探る「境界条件研究」に分類して整理できる。また,発案者効果研究の発展のため,今後の研究課題として,(1)媒介要因研究の課題,(2)境界条件研究の課題,(3)両研究における研究方法の課題を提示した。

マーケティングケース
  • 白石 秀壽, 小野 晃典
    2019 年 39 巻 2 号 p. 68-80
    発行日: 2019/09/27
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー HTML

    世界有数の鶏卵生産消費国である日本において,大量生産がますます進む一方で,少量の高級ブランド卵を生産する様式を採用する養鶏業者も登場している。そんななか,高級ブランド卵を大量に生産して販売する鳥取県八頭町の養鶏業者がある。それが「大江ノ郷自然牧場」(農業生産法人・有限会社ひよこカンパニー)である。同牧場は,高級ブランド卵「天美卵」を成功させたに留まらず,その卵を使用した加工食品を開発して併売する形で第二次産業に参入し,さらには,農業や食を体験させることのできる施設を建設することによって,第三次産業にも参入し,それらについても,首都圏その他の大市場から離れた過疎地域であるにもかかわらず成功を収めている。本論は,事業成功のカギを握る同牧場のビジネスモデルを解析する。

書評
エラータ
編集後記
feedback
Top