マーケティングジャーナル
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特集論文 / 招待査読論文
制御焦点がチャネル選択・推奨に及ぼす影響
― マルチ・チャネルショッパー行動の分析 ―
石井 隆太菊盛 真衣
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2018 年 38 巻 2 号 p. 52-67

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抄録

今日,実店舗とオンライン店舗の両方で買物する消費者,すなわち,マルチ・チャネルショッパーが増加している。既存研究は,マルチ・チャネルショッパーの制御焦点が店舗選択に影響を及ぼすということを示唆してきた。しかし,(1)チャネル属性の知覚水準に影響を及ぼしうるオンライン購買経験を考慮に入れていない点,および,(2)消費者の店舗推奨行動を検討していない点において問題が残されている。これらの問題に対応するために,本論は,マルチ・チャネルショッパーの制御焦点が店舗選択・推奨に及ぼす影響,および,その影響に対するオンライン購買経験の調整効果を検討する。シナリオ法を用いた調査を実施し,241名の参加者からデータを収集した。回帰分析の結果,予防焦点は,オンライン店舗(対実店舗)の選択および推奨行動に負の影響を及ぼす一方,消費者のオンライン購買経験が多い場合,促進焦点は,オンライン店舗(対実店舗)の選択および推奨行動に正の影響を及ぼすということが見出された。こうした知見を提示することで,本論は,消費者のチャネル選択に関する研究,クチコミに関する研究,および,制御焦点理論に関する研究の進展に貢献を成すだろう。

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© 2018 日本マーケティング学会
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